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Nao vol.187 Mac OSのデフォルトの書体は商用可能なのか

とある案件で、無料の書体のみしか使用できないケースがありました。
日本だと、有料のフォントのライセンスは
デザインを制作する者(デザイン事務所)が持っていれば問題ないですが、
中国だと、デザインされた制作物を発行、発信する者(お客様)が
ライセンスを所有していないと問題が発生すると、私は認識しています。

以前にも、私たちが作ったロゴに対してお客様から
「フォントの会社から連絡が来て、
これはその会社の有料フォントを使用していないか指摘が入った」
と連絡が来たことがありました。

結果は、私たちが作ったロゴに対して、
いつの間にか違う制作会社が書体を変えてしまっていて、
私たちの責任ではなかったのですが、
フォントの会社から目を付けられるのは、私たち制作側ではなく、
お客様になってしまいます。

大手食品会社さんのパッケージや、
大手アパレルメーカーのポスターなど印刷部数が多い仕事をやった場合は、
お客様がライセンスを購入済みの有料書体を、
私たちに支給してくださり制作しました。
提供した書体のみ使ってほしいと念を押されました。
ライセンスは販売元、発信元が持っている必要があるからです。

中国は模倣品もまだ溢れてますしライセンス管理について、
まだまだずさんなところがある一方、
フォントのライセンスについてとても厳しくなっているので、
お客様の方でも危機管理意識が高くなっています。

ただ、そのようにきちんとライセンス管理をしていて、
お客様から書体を提供してもらえるケースは少ないので、
フリーの書体を使わざるおえない場合が多いです。

ただ、中国のネットではたくさん無料でダウンロードできるサイトはありますが、
フォントの製作元ではなく二次配布のサイトが多いです。

例えば下記のようなもの。。。


https://izihun.com/?from=ssc&fk=1534

(中国国外からでも開けるのかな・・・? もしかしたら開かないかもしれないです)

商用可と書いてあっても、
二次配布のサイトだとライセンスについて、
本当に問題ないかが疑わしいので、
私は基本的に中国のサイトからダウンロードした書体は、
商用案件では使いません。

そうなると、
Macの中にデフォルトで入っている数少ない中国語フォントが頼りになってきます。

しかし、商用可能かどうかネットで検索しても
パッケージで使えるか、はっきりと明確な答えがオフィャルなサイトに書いてありませんでした。

どうしても確認が必要な案件だったので、
日本のアップルのサポートへ電話してみました。

下記、長くなりますが、私が答えに辿りつくまでの軌跡です。。。

(私のMacが4年前に購入したものだったため、
すでにサポート対象外で、チャットでの問い合わせができず
電話のみしか問い合わせ先を見つけられませんでした。)

丁寧に色々と対応していただいた熱意は感じましたが、
初めの担当の人が答えをわからず、
スペシャルアドバイザーなる人に転送されたのですが、
結局、その人もわからないとのことでした。

「ここはテクニカルサポートなので、
ライセンスについてはメールでアメリカ本社に確認してほしい」とのこと。

なんと。。。。。

すでに電話して1時間くらい経ってこの返答はがっくりしますね。

ウェブサイトにメールアドレスがあるからそこから連絡してとのこと。

しかし、ここに電話する前に、メールでの問い合わせ先を散々探したのですが
見当たらず、仕方なく電話したのです。
どこにメールしたら良いか聞きました。

その連絡先を担当の人が探し出してくれるのに、さらに20分待ち。。。。

国際電話なんだけどな。。。。(海外からだとフリーダイヤルはつながりません)

電話代、気になるけど、
国際電話だとアップルサポートから折り返し電話ができないそうです。

グローバル展開している大企業なのに、
国際電話がかけられないなんて。。。。

と思ったけど、仕方ないので電話つなぎっぱなしで待ちました。

辛抱強く待つと、
英語版アップルのウェブサイトの中のライセンス専門の連絡フォームを、
担当の方が見つけ出し、教えてくれました。

これでようやく問い合わせができる!

ありがとうございましたと電話を切った矢先、また問題が。

この連絡フォームに電話番号が入力必須なのですが、
なぜか入力できません。
アメリカ国外の番号も受け付けている様子なことが書いてあるのに
どうしてもエラーになる。。。。

仕方ないので、再びサポートへ電話。。。

同じ担当者には繋いでもらえないそうで、
新しい担当者にゼロから説明。
入力方法、もしくは違う連絡先があるか聞きました。

担当が変わるたびに、長ーーーーーーいMacのシリアルナンバーを伝え、
その都度、「ロンドンのL、アメリカのA・・・・」という丁寧で長い
復唱を聞かないといけないのも、3回目だとイライラしてきてしまいます。

落ち着け、私。。。。
新しい担当の人に罪はないし、
別に私はなんども電話してくる面倒くさいクレーマーになりたいわけではないし、
お客様にためにフォントの安全を確認したいだけなんだ。。。

「入力できる方法を確認して参ります」
と言われ保留音を聞きながら待つこと45分間。。。

ちなみにアップルのサポートは、保留音の音楽のジャンルをご丁寧にも選べます。
私はジャズをチョイス。

でもさすがに45分は、待ってていいのか、
諦めればいいのか、迷ってきました。。。

もう、半分やけくそになって、電話をつなぎっぱなしで待ち続けたら、
お姉さんの声がカムバック!

「このフォームはSafariだと入力できませんが、
Chromeで開くとエラーが出ませんでした」とのこと。

Appleのサポートフォームなのに、
デフォルトのSafariでバグが出るってどういうこと。。。。

って思ったけど、お姉さんに言っても仕方ないので、
お礼を言って電話を切り、Chromeをダウンロード。

おお! 本当だ!
入力できる!!!!
ようやくたどり着いた。。。

果たして返事は来るのか、
疑問に思いながら、商用利用可能か聞いてみました。

すると翌日にちゃんとお返事が!

Apple TMという差し出し人からでした。
Appleを装った迷惑メールが日頃多いので、
一見迷惑メールかと思ったけど、正式なお返事でした。

結論まで長くなりましたが、お返事からすると、
普通にMacで制作したものに関しては、
デフォルトでFont bookに入っている書体は商用利用が問題ないと読み取れます。

ただ、これは英語が下手な私の解釈です。
私が変に翻訳するより、原文のままに載せた方が信頼性がありますので、
ご自身で解読してみてください。

なかなか、ここにたどり着くのが大変だったので、
同じ問題で困っている方のために回答をシェアします。

送っていただいたライセンス規約の Section 2.Eがフォントに関する該当箇所でした。

ただご自分で確実に確認したい方は、下記より問い合わせができるので、
ご自分で問い合わせてみてください。

ライセンスについての専門窓口だそうです。

https://www.apple.com/legal/contact/trademark-information.html

は〜、長い道のりだった。
貴重な作業時間が半日つぶれっちゃったわ。

ライセンスについてって、
そんなに問い合わせがないものなのかしら。。。

でもちゃんとお返事いただけたので、
助かりました&勉強になりました。


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