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Nao vol.177 邹市明 vs 木村翔 WBOフライ級タイトルマッチ in上海

7月28日に上海で行われたWBOフライ級タイトルマッチを観戦してきました。

中国のボクシング界のヒーロー邹市明に挑戦するのは、
ランキング7位(当時)の木村翔選手。

邹市明選手は、
2008年の北京五輪、2012年のロンドン五輪で金メダルを獲得した選手です。

中国ではヒーローの邹市明に対し、木村選手の知名度はほぼなく、
チャンピオン対7位の選手という設定もちょっと不思議なところもありました。

今回の大会の主催者は邹市明の奥さんの会社ということもあり、
これは邹市明が勝つために作られた興行ではないかという巷での評判もありました。

KOしない限り、木村選手が勝つのは難しい流れなんだろうなぁと思っていました。

そんなこんなでフェアな大会じゃないという噂もあり、
この大会に興味がないという人も周りにいましたが、
プロボクシングの試合を見たことが私は今までなかったので、
見に行ってくることにしました。

アマチュアボクシングの大会に関わってることもあり、
他の大会がどのように進行して行くのか興味がありました。

会場は浦東にある東方体育センター。

メインスポンサーはSHARP。

前座の試合では、
私たちのイベントにずっと出場してくれていた選手がKO勝ちをして、
とてもうれしそうな表情に、こちらもとってもうれしくなりました。

普段、私たちの大会をサポートしてくれている審判さんたちの顔も見かけ、
私にとっていつのまにか中国のボクシング界が
距離が少し近いものに感じられるようになっていたことに気づきました。

日本にいた頃は、中国でボクシングに関わるなんて、
これっぽっちも思ってなかったので、
不思議なものだなぁと思ったりしました。

中国では予想しないことがたくさん起きるので、
自分の意思では無いことに対しても、
巻き込まれてみるオープンさがないと辛くなってしまうと思うのです。

ただ、どの波に巻き込まれるかは、よく見る。

とは言えどんな波なのかは、
波が起きる時や波の中にいる時はなかなか見えないので、
正直いうと初めの時点で判断が付かないから、
とりあえず巻き込まれてみるぐらいのゆるさでもいいのかな、なんて最近は思います。

大事なことは、信頼できる良い仲間の中にいることなんだと思います。
いつ波が起きるかも予想つかないですしね。

中国の人はまず走り始めてから、走りながら考えるから、
腹をくくってから走り出す日本人とは少し違うところかもしれないですね。

ちなみにこの大会のDJは、いつも私たちの大会でお世話になってるDJ LJ。
私たちの大会でDJをしているところをスカウトされたのだそうです。

世界大会って、少し遠い距離があるものかと思っていたので
身内の顔がちらほら見えるとちょっとうれしくなりますね。

前座の試合は5試合くらいあったと思うのですが、
全て中国の選手vs外国人選手でした。

全ての試合で中国の選手が勝っていたので、
これはやはり「中国最強!」というような流れになるよう導線が引かれている大会なのかな、
なんて少し思ってしまいました。

木村選手が勝つなんてことは、まず起こり得ないだろうな〜と思っていたのです。

会場の雰囲気も世界大会の空気というより、
とても中国の色が強い演出だったので、
木村選手にとってのアウェイ感はとても強いものだったと思います。

そして、いよいよ始まった邹市明選手と木村翔選手の試合。

プロの試合を初めてライブで見たのですが、
パンチの速さと鋭さ、美しさに驚きました。

ボクシングってこんなに美しかったんですね!!!

普段関わっているのはアマチュア選手の大会で、
アマチュアの大会だからこそ生まれるストーリーもあって、
それはそれでとても魅力なのですが、
プロとの動きの違いは正直いうととても大きいものでした。

12ラウンドあるので、試合の流れの組み方も選手の個性が見えてとても面白かったです。

木村翔選手はボディーを地味に攻め続けました。
邹市明選手の方がポイントでは優勢だったそうです。

10ラウンドを過ぎ、
ここから木村翔選手の動きが変わりました。

今まで控えめに抑えていたエネルギーと姿勢が全面に出て、
攻め続けました。

そして11ラウンド。
ロープ際に木村選手が追い込んで、邹市明選手がダウンしたのです。

ま、さ、か、、、、、!

T K O !!!!!!!!!!!!!!!!

会場はシンとなりました。

邹市明の奥様(今回の大会の興行主)↑

私も信じられなかったです。

木村選手はリングに大の字になって
嬉しさが体から溢れてました。

いやぁーーーーーーーーーーー、興奮しました。

大番狂わせに、会場中が動揺した空気に満ちました。

木村選手の声を聞きたかったけど、残念ながらインタビューはなく、
マイクを持ったのは邹市明選手と彼の奥さん。

中国ボクシング界への愛を話していました。(全部は聞き取れなかったけど、、、)
やはり彼が主役で幕を占める大会の演出なのだな。。。

でも発展途上にある中国のボクシングを世界へと切り開いていった邹市明選手の功績は、
これからの若い選手にとっても大きなものなのだろうなと思います。
二人ともとてもいい試合でした!

木村選手のジムは資金力のあるジムじゃないらしく、
普段木村選手は酒屋でアルバイトをしながらボクシングを続けているそうです。
今回の大会出場資金も募金をして集めたとのこと。

事前の周りの予想とは裏腹に、
チャンピオンに勝つイメージがしっかりと木村選手にはあったのでしょう。
こんなアウェイな雰囲気でチャンスをものにする木村選手はとても素晴らしいなと思いました。

俳優のような綺麗な顔立ちの、中国の英雄・邹市明選手と、
見るからにやんちゃ顔で、無名の挑戦者・木村選手という対照的な二人。
とても印象に残るいい試合でした。

試合が終わってからも、しばらく興奮が抜けず。。。
BAR THEATERのひろくんの美味しいお酒をいただきに来ました。。。

木村選手、防衛戦も頑張って欲しいです!!!

素敵な試合をありがとう!!!

早速、社内では私たちの大会にも木村選手をゲストで呼ぼうと盛り上がりました。
いつか来てくれたら、うれしいなぁ〜。

ちなみに次回、中国アマチュアボクシング全国リーグ”拳炎”は
2017年8月27日(日曜日)18:30startです!

会場は下記です。

万代南梦宫上海文化中心(原浅水湾文化艺术中心)
地址:普陀区宜昌路179号
客服电话:021-62661110

大会詳細はこちらにもあります。(Wechat Page)

(念のため、今回木村選手は来ません。)

ぜひ、遊びにいらしてくださいませ。

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