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nao vol,130 「期待する」ことのこと

トップの写真は文章と関係ないんですけど、先月久しぶりに行った外灘の眺め。
上海で一番高いビルとなった上海中心大厦も、もう完成した様子。
節電なんて関係なく、相変わらずぴかぴか。

「期待すること」と「期待しないこと」について、振り返ったり考えたりしていました。
上海に来た当初、上海で仕事する中、そして今で、だいぶ考え方が変わりました。

不景気ど真ん中の東京から来たので、
上海にいるといろーーーーんな話がやってくる事に、
来たばかりの頃は驚いたし、わくわくしていたなぁと思います。
そもそも上海での仕事や生活に期待があって来たのだと思います。

私はグラフィックがメインなのですが、
日本だと一言にグラフィックデザイナーと言えども、
広告、パッケージ、エディトリアル(書籍)、サイン、、、、などなど、
専門が分かれて、あまりそこをリンクしてお仕事をしている人は少ないように思います。

専門職なのに、色んなことをやるのがタブーに思われる空気を東京で感じてました。

が、上海だと垣根などなく。。。
「デザイナー=何でもつくれるでしょ?」みたいな感じで、
あれやこれやの話が来ることにとまどいつつも、
やった事が無いジャンルの仕事にも、打席に上がらせてもらえることが、
東京とは違う上海での仕事の楽しさだな、と思ってました。

ポスター、パンフレット、フライヤー、パッケージ、サインの提案、
商業施設や店舗のVI、イラスト制作、書の製作、ウェブデザインなどから、
撮影のコーディネイトや、スタイリング、撮影用フラワーオブジェの製作、
展覧会のバックアップ、CM製作、
キャラクターデザイン、大きい牛のオブジェ、
こども用バックのデザイン、旅行プランの提案、、、
などなど、東京にいたら関わらなかっただろうジャンルの仕事が経験させてもらいました。

やりたいこととか、やりたくないとか関係なく、
とにかく、打つ!

中国での仕事にぶつかる!

をテーマに過ごして来たこの2年。
来た当初はいろんな話に素直に期待できていたのだと思います。
仕事の取り合いの東京から来たので、
若者にも仕事がたくさんある、ということが素直にうれしかったなぁ、と。

いろーんな話がある反面、
特に中国系は大きな話も多いけど、突然方向がひっくり変えったり、
話がなかったことになったり、というのがあるので
「えーーーーーーーーーーーーーーーーー!」ということもありましたが、
それも含めて上海で仕事をすることなんだと、その辺はもうだいぶ慣れてきました。

ふと最近気がついたのですが、慣れた反面、
「期待しない」というスタンスを、鍛えてきてしまったように思いました。

話がひっくりかえる、
話がなかったことになる、
上がって来たサンプルが指示通りになってない、
届くと言った日に届かない、
仕事をお願いしてたのに連絡がつながらない、、、

もぅ、、、

のようなことが起こる事に対して、
結局自分の目で確かめたことしか信用できなかったりするので、
誰かとお仕事する時にも「期待しない」、
新しい話にも「期待しない」をベースにしていました。

わくわくしそうな話ほど、期待しないようにする姿勢が身に付いてしまってました。

「期待する」と、えーーーーー!という時にストレスもリスクも大きいので、
それでいいと割り切ってました。
逆に期待していないから、ちゃんと成り立った時に、
相手に「ありがとう」と思えるのかな、と。

が、「期待しない」ということは、
つまり最初からわくわくしないということ、人を信用しないということ。

なので、だんだんと面白さや楽しさが感じなくなってきてしまうことだったんだと
考えるようになりました。

なんで最近わくわくしないんだろう、
楽しむことが難しくなってきたんだろう、
と考えていたらそこなんじゃないかと思ったのです。

忙しいとか、時間がないとかが理由でもなかったんだなぁ、と。

「期待しない」ことより、
「期待がはずれても、笑える」こと、
「期待はするけど、期待がはずれた時にも対応できる」の方が大事だし、
楽しくできるんじゃないか。

期待する→期待しない→期待してみようと、考えが一周した感じです。

期待しないと楽しくない、
力が出てこない、という当たり前のところに辿りついたというか。。。

私は上海の事が好きなのに、
上海での事、上海で出会う人に期待しないって淋しいじゃないか、と。

「期待」という事について考えていたら、
『じぶんに期待する』という糸井重里さんの文章に出会いました。

『「じぶんに期待する」ことができていれば、
とてもよく生きていると言えるんじゃないか。』

『逆に、「じぶんに期待できない」ということは、
いまがどんなに元気で活躍できていても、
相当につらいことだと思います。』

『「なんとかなるんじゃないか」と感じて、思って、
それをどうしたらいいかと考えているというのは、
これ、「じぶんに期待する」ができているんですよね。』

ほぼ日刊イトイ新聞「今日のダーリン」より(http://www.1101.com/home.html)

抜粋をさせていただくと、このような文章です。

「期待する」の対象を、自分という中に向けることに、はっとしました。

「期待」は、
○○さんに仕事をお願いする、新しいプロジェクトに期待するなど、
自分以外の人やものごとに対して感じるのが多いと思います。

自分に対しても、ちっとも期待していなかったなぁ、最近。

期待の対象は自分の外ではなく、自分におけば、
だめだった時も、素直に新しい気づきにすればいい。

自分に自信を持て!確信を持て!と言われても、
自信や確信など、そんな簡単に今すぐ持つのは難しいですが、
「自分に期待」は心のスタンスでもあるので、
今からでもしようとすればできるなと思いました。

「期待する」ことを考え直してみたら、
わくわくしてみること、楽しんでみることができるような気がしてきました。

デザインって、
つくる時の姿勢や精神状態、体調など、
隠そうとしても自分の状態がどうしても作ったものに透けて見えてきてしまうのが、
嘘をつけなくてシビアな仕事だなぁ〜と思うので、
楽しむことが実はとても大事だったんだとようやく素直に思えました。

小さなことも、大きなことも、
期待の心を持ち、おもしろく、こつこつとできるようになりたいものだと思います。

自信や確信がなくても、自分に期待し続けてみる、
って大事なことだったんだなと思ったのでした。

いつも不機嫌な顔してちゃ、だめですよね。。。

宮本いわく、女子はいつも不機嫌な生き物、らしい。。。
思い当たる節は、ある 笑
すいません。。。


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